最近まで、2018年のIPO銘柄について分析をしてきましたが、
楽しかったので2017年のIPO銘柄にも興味が出てきました。
分析を通して、
未公開株に投資をして上場で売却益を得ることができるビジネスモデルはどのようなものなのか、
初値利益で儲けるにはどのようなトレンドを追えばいいのかがうっすらと見えてきます。
ここからは2017年はどのようなIPO銘柄があったのか、いくら儲けることができたのか?を見ていきたいと思います。
今回の記事では、2017年に上場した「ヴィスコ・テクノロジーズ」について少し、
分析をしてみたいと思います。
ヴィスコ・テクノロジーズを上場時初値で売って得られた利益はどれくらいだったのか?
まずはヴィスコ・テクノロジーズの株を上場前に当選し保有していた場合どれくらい儲かったのでしょう?
以下が上場当時(2017年12月13日)の詳細です。
当たり本数 | 2,286本 |
公募価格 | 4,920円 |
初値 | 15,000円 |
初値上昇率 | +204.9% |
初値売り時(利益) | +100.8万円 |
主幹事はみずほ証券が務め、当選していれば100.8万円の利益が出ていたことになります。
それではヴィスコ・テクノロジーズはどのような会社なのでしょうか。
詳細を見ていきたいと思います。
ヴィスコ・テクノロジーズとはどのような会社か?
ヴィスコ・テクノロジーズの概要を四季報から引用します。
6698 ヴィスコ・テクノロジーズ う゛ぃすこ・てくのろじーず [ 電気機器 ] |
【URL】http://www.visco-tech.com/ |
【決算】3月 |
【設立】2003.8 |
【上場】2017.12 |
【特色】製造業向け画像処理検査装置のファブレスメーカー。独自技術に強み。国内3位、専業では首位 |
【連結事業】画像処理検査装置100【海外】31 <18・3> |
【独自増額】中国のスマホ部品メーカー向け想定超。国内もコネクターやスマホ部品向け好調。期央はスマホ部品向け不需要期、中途採用積極化で人件費増ながら、通期でも一転営業増益の公算。記念配剥落。 |
【拡 張】得意の電子機器用コネクターメーカー以外でも新規顧客の開拓進む。小粒ながら成長中の車載用大型電子部品向けでは周辺装置開発も推進、19年に一段増図る。 |
【業種】 電子デバイス製造装置 時価総額順位 34/60社 |
【仕入先】― |
【販売先】― |
【比較会社】6863 ニレコ,7709 クボテック,6276 ナビタス |
【本社】105-0022東京都港区海岸1-11-1ニューピア竹芝ノースタワー TEL03-6402-4500 |
【営業所】大阪,鹿児島 |
【従業員】<18.3>連103名 単71名(41.8歳)[年]638万円 |
【証券】[上]JQ(S)[幹](主)みずほ(副)三菱Uモル,岡三,いちよし,SBI,岩井コスモ[名]みずほ信[監]EY新日本 |
【銀行】みずほ,三菱U,りそな |
【連結】必速勘貿易(上海),ViSCO(Thailand),ViSCO(USA) |
【成長力】 ―% ―% 利益率14.0% ―% 【四半期進捗率】 3期平均―% 今期42.5%(―%) |
<引用:SBI証券>
特色は、『製造業向け画像処理検査装置のファブレスメーカー。独自技術に強み。国内3位、専業では首位』とされております。
技術で市場を駆け抜けていった感じがしますね。
では、具体的なビジネスモデルはどのようになっているのでしょうか。
詳細を見ていきたいと思います。
ヴィスコ・テクノロジーズのビジネスモデルとは?
以下は代表取締役の足立氏の上場時インタビューです。
以下は上記動画の要約です。
- 弊社は画像処理検査装置を開発、製造、販売する会社。
- 会社名の由来はヴィジョン、コラボレーションからヴィスコと造語した。
- ビジョンは画像処理技術でお客様や企業とコラボレーションして新しい価値を想像する。
- 技術こそが中核の企業。
- 画像処理検査装置が現在流行。大学時代から産業ロボットの研究をしていたが、画像処理をやってみたいと考えていた。
- 事業内容としては、当社の装置は検査装置本体にアルゴリズム(ソフトウェア)を入れて、それを一体として販売している。
- そこにカメラをケーブルで繋げて照明レンズにする。
- ものを売るだけではなくソリューションとしてサービスを提供している。(使い方)
- 当社製品は汎用の検査装置になるので、電子部品、半導体業界などのみではなく、様々な業界に一つの装置が使われている。
- 美観の欠陥を防ぐことが企業のニーズとして高い。ラベルがずれていたり、お客様が違和感を感じる欠陥を美観の欠陥としている。
- これまでの目視検査を画像検査ソリューションとして代替提供。
- 業績は過去4期で14%増。今期は上半期が終わり業績良好。予算どおりに進みそう。
- 弊社の強みは画像検査のソリューション。2つの要素がある。
- 一つは高度な光学技術。検査の対象物の欠陥部分を正確に検査。照明の当て方、何色の照明か、などのソリューションが提供できる。
- 画像は検査するための画像が撮れることが重要。
- 2つ目は検査ニーズに答える独自の画像処理アルゴリズム。
- 目視検査に近い技術を実現しており、競合に対してその点が優れていると言える。
- 人間が目視検査をする時に人間は気づくが画像検査だと検出が難しい。
- 弊社は従来にない方法、傷の形を登録し、検出する。
- また超深度カメラで、正反射光で傷の影を作り高いコントラストを出す。
- 全方位立体検査の技術もある。カメラ一台で全方位かつクリアな画像の撮影が可能。
- 市場環境的にも今後目視検査から画像処理検査が進むはず。
- 用途別で言うと、電子部品、自動車関連、電子機器組み立て、食品、薬品などなど。他分野でニーズ拡大中。
- 労働人口の減少からも目視検査が追いつかない現実がある。
- また、製品も小さくなっていっているので目視でも見えないという事実もある。
- 目視検査を機械検査に、自動化していく技術のニーズは年々高まっている。
- 最終的なゴールは画像処理検査のトップランナー。
- これまで画像一筋でやってきた。今後も画像一筋でやっていくので、技術を多角化するのではなく先鋭化していくことでこのグローバル社会を勝ち抜いていく。
動画を見ればわかるかと思いますが、
社長の職人、技術者オーラが凄いですね。
口八丁なだけではなく、徹底的に技術を高めて世にインパクトを残していく姿は本当にかっこいいと思いますね。
リターンも何も考えない資産運用をするのであれば、
このような会社に投資をしたいものです。
私が日々感じている日本の社会構造の違和感として、技術者の賃金が低く、
日系大企業の間接業務がメインの仕事となる営業マンの給料が高いことに圧倒的に違和感があります。
むしろ、間接業務をメインにする労働は低賃金に、技術者の賃金を上げていかないと、
日本経済は停滞を免れることはないでしょう。
東京大学の優秀な学生が、なぜ技術を高めることのない、上司のご機嫌伺いの仕事をしているのか、
理解に苦しんでしまいます。
まとめ
2017年のIPO株式銘柄である、ヴィスコ・テクノロジーズの上場当選した場合の利益、
またビジネスモデルを深掘りして見てきました。
上場する会社の特徴として、社会ニーズ、社会情勢を適切に掴み、
利益を向上させていくビジネスモデルがIPOしていることが理解できますね。
以上、2017年IPO・上場株式銘柄、ヴィスコ・テクノロジーズはどのような会社?画像処理検査で世界へ!技術者集団の今後に期待…の話題でした。
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