「オルタナティブ投資」の中で最も有名であるものの実態があまり知られていないヘッジファンド。
(※オルタナティブ投資=上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の新しい投資対象や投資手法)
この記事は、以下の疑問を持っている人に向けて書いております。
「富裕層こぞって購入しているヘッジファンドとは?」
「日本で投資するとすればどのヘッジファンドが投資先として正解なのか?」
「投資する際に気をつけるポイントは何か?」
ヘッジファンドは投資信託などのように公募の形を取りません。
そのため、情報があまりにも取れず、なかなか良い投資先を選定するのも難しいですよね。
ヘッジファンドの存在を知らずに、利回りの悪い投資信託を無思考で購入してしまう人も多く、筆者は強い問題意識を持っています。
それでは、解説に入っていきたいと思います。
最初はランキングを一気に公開していきますが、総合的に見て安定投資のBMキャピタルを選んでいれば問題ないと筆者は考えています。
おすすめ日本国内ヘッジファンドランキング
これまで私は様々な投資を学びヘッジファンドの担当者とも会話をしてきました。
その上でおすすめのヘッジファンドを紹介します。
私の出資方針としては、
- 10%以上の年利回り達成が可能
- 株式市場が下落した時に下落せずに運用を行えているか
- ヘッジファンド担当者との距離感
とした上でのランキングとしています。
第1位:BMキャピタル
BMキャピタルは伝統的な中小型株バリュー株投資で、高いリターンを年度ベースで一度も下落することなく叩き出しています。
BMキャピタルが得意とする投資は基本的には伝統的な中小型株のバリュー株投資です。
詳細→ 安定運用!!評判のBMキャピタル(CAPITAL)の運用成績・利回り・投資手法を紐解く!日本のアクティビスト型バリュー株ヘッジファンドを紐解く。
伝統的な「バリュー株投資」は株価が企業が保有する現金価値よりも低い銘柄に厳選して投資を行います。
つまり、負債支払い後で1億円の現金を保有している企業を7000万円で購入しているのです。
結果的に、下落耐性が高く安定的な運用成果につながっています。
また、場合によっては大量に株を購入して「物言う株主」として経営陣に株価上昇のための施策を提言します。
能動的に株価を上昇するために動くアクティビスト型のファンドともなっています。
更に2020年のコロナショックのような危機発生時には、事前に兆候を察知して機動的にポートフォリオを入れ替えます。
今回はファンドマネージャーの手腕が光り、暴落前に現金比率を引き上げ、日経平均先物売りでヘッジをしていました。
結果的に市場平均が30%下落するような厳しい環境下でもプラスのリターンを現状叩き出しています。
過去チャイナショックや、2018年末の市場暴落局面、今回のコロナショック でも下落せずに安全に運用してきています。
ファンドマネージャーは今まで日本株のファンド運用を行ってきた方です。
経歴は以下の通りです。
- 東京大学卒
- 大学時代に株式投資サークルで継続的な高い利回りを達成(リーマンショック時もプラス運用)
- 卒業後は某大手外資系投資銀行に入行、
- その後、東大・京大卒のメンバーを集めヘッジファンドを創設
一流のファンドマネージャーによる一流の運用に任せてみたいという方は、
問い合わせを行い実際にファンドの方から話を聞いてみることをおすすめします。
第2位:TORTOISE PARTNERS
TORTOISE PARTNERS(トータスパートナーズ)は日本株のバリュー株投資を中心としながらも、
一部未公開株投資も行なっている新進気鋭のPEファンド型のヘッジファンドです。
👉【トータスパートナーズ】日本発新進気鋭の評判のPEファンド「TORTOISE PARTNERS」の実態に迫る!
過去の運用成績は常にTOPIXを上回る成績を上げています。
さらに2016年や2018年のような市場が下落する局面でもしっかりとしたプラスの成績を叩き出し続けています。
バリュー株投資を基本としています。
更に、安定感に高いリターンを叩きだす未公開株投資も取り入れている点が非常に注目できる点です。
👉PEファンドとは?仕組み・運用成績・種類・メリットやデメリット等から個人でも投資できるおすすめの投資先を紹介。
「頭脳型」のヘッジファンドでファンドの構成員も東大や京大卒で固められており、総合商社や外資系金融、コンサルといったエリート集団となっています。
最低出資金は1000万円となりますが、金額は応相談となっています。
一度ファンドに問い合わせて話を聞いてみることをおすすめします。
第3位:日興レジェンドイーグルファンド
日興証券の資産育成型の投資ファンドは、世界的な割安株に投資を行い年平均で10%程度の利回りを上げています。
株式市場の下落に影響されやすい成績となっているところは、割安株に投資している割には少し不安材料となってしまいます。
ファンドとは何か?公募ファンドと私募ファンドの違いを理解しよう
基本的なことになりますが「ファンド」とは何を指すのでしょう。
定義を最初に確認しましょう。
機関投資家や富裕層から集めた資金を運用する投資のプロたち。企業に投資してリストラなどを進めて企業価値を高め、最終的に売却益を得る「プライベート・エクイティー・ファンド(PEファンド)」や、デリバティブ取引を駆使して相場が上昇局面でも下落局面でも利益確保を狙う「ヘッジファンド」などがある。
(引用:ファンドとは)
少し難しい言葉が並びますが、簡単に言えば投資のプロが投資家からお金を集めて運用し利益を狙う基金のことですね。
現在ではネット証券などを通して株式の売買も容易になりました。
しかし会社員でしたら、やはり市場が開いている時間も働いているので運用でリターンを出すのは難易度が高いです。
運用のプロに一旦預けてしまえば、運用成績だけ報告してもらいながら、老後の資産のプランを立てやすくなるメリットなどがありますよね。
分散投資もできる点も、個人では投資できない銘柄でリターンを目指せることからメリットと言えます。
デメリットと言えば、購入時の「販売手数料」「解約時の解約手数料」が発生することですが、
これは事務手続きが発生しますので仕方のない部分ですね。
さて、ここまでファンドの基本を押さえましたが、
ファンドには大きく分けて「投資信託」「ヘッジファンド」の2つがあります。
この2つの形態の違いも次では理解していきましょう。
ヘッジファンド・投資信託との違いは何か?私募ファンド・公募ファンドを理解しよう
ヘッジファンドと投資信託の違いを理解する前に、以下を頭に入れておきましょう。
- ヘッジファンド:私募ファンド
- 投資信託:公募ファンド
まずは、一般的に認知されている投資信託から解説していきます。
投資信託とは?
投資信託とは「アセットマネジメント(資産運用)会社」が作っています。
投資信託の数はとても多く存在しています。
あなたが投資を考えているのであればどの分野の金融商品を購入するのかを検討する必要があります。
- 先進国
- 新興国
- 債券
- 株式
- リート
などなど、様々な金融商品があり組み合わせも考える必要があります。
投資のプロに運用を任せる割に手間が掛かりますよね。個人への負担が大きいです。
また、投資信託の明確なデメリットとして「目論見書」で当初に定めた範囲内の取引に制限されます。
投資した株式が暴落し、ファンドの運用成績が振るわなくても、クレームをつけることは不可能です。
イマイチ、プロに任せて運用しているとは思えないのが投資信託です。
ヘッジファンドとは
ヘッジファンド(私募ファンド)は投資信託(公募ファンド)とは大きく異なります。
公募ファンドはテレビCMなどで公に広告を出したりして出資者を集めていますよね。
それとは反対に、私募ファンドは公に出資者を募ることができません。
しかし、その代わりに金融庁からの規制は緩く「運用の自由度の高さ」が大きなメリットとなります。
私募ファンドが日本ではあまり認知されていないのは、その歴史が浅いことにあります。
1998年末に投資信託法の改正がありました。
その結果、私募ファンドを創設することが可能となりました。
富裕層や機関投資家などを対象にした少数の出資者を集めて運用しています。
因みに募集人数には制限があります。
コラム:ヘッジファンドが生まれた歴史・ウォーレンバフェットの師ベンジャミングレアム氏
ヘッジファンドの生みの親として2つの説があります。
生みの親はA.W.ジョーンズ氏というのが定説ですが、あの世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏は、
- ベンジャミン・グレアム
- ジェリー・ニューマン
が創設した投資会社グレアム・ニューマン社が、富裕層から資金を集め運用をしていたことから、
同社を初期のヘッジファンドであるとしています。
👉ベンジャミン・グレアム流の本格的バリュー株投資~ネットネット株とは?~
当時ヘッジファンドとは、戦時中であったことから、資産家が資産を保全したいという思いが強く、
危機的な市場からも資産を守り抜く特性もあることから「守り」の資産運用先とされていました。
後に、今では世界でも有数のファンドマネジャーである、
- ジョージ・ソロス
- ジュリア・ロバートソン、
- レイ・ダリオ
が金融業界で台頭してきました。
ヘッジファンドは怪しい、と考えている人も稀に見ます。
それはヘッジファンドの存在を正確に認識していないからでしょう。
また、過去には村上ファンドの事件があったことも尾を引いていることもあります。
しかし、村上ファンドに関しては世界でも稀にみる事件です。
一般的にはヘッジファンドは富裕層や機関投資家、引いてはハーバード大学など有名大学基金が購入する優良な投資先です。
実際に以下の通り、ハーバード大学もイエール大学も多くのポーションをヘッジファンドに投資しています。
ヘッジファンドと投資信託の違いを徹底比較(投資信託のメリット・デメリット)
ヘッジファンドと投資信託の違いを最初にまとめると、以下の通りとなります。
メリット | デメリット | |
投資信託 | 公募なのでファンド購入先を見つけやすい | ・自分で投資先を選定する必要があり手間がかかる ・目論見書の範囲内のみの運用となるので暴落などリスクヘッジが取りにくい ・運用成績が振るわない ・手数料が高い ・ファンドマネジャーがサラリーマンでありプロ意識が足りない ・インデックス連動率が低い |
ヘッジファンド | ・投資先の選定含め運用のプロに任せるため、手間が掛からない ・自由度の高い運用を行えるので市場リスク局面でも利益を狙える ・投資利回りが高い ・成果主義の手数料体系からファンドマネジャーのプロ意識が高い ・ファンドと出資者との距離が近く運用レポートも示唆に富む内容 |
・公に告知していないので投資先を探すのが困難 ・最低出資金が高く、敷居が若干高い |
投資信託のメリット・デメリットについては少し上記でも説明済みですが、
- 運用成績が振るわない
- 手数料が高い
- ファンドマネジャーがサラリーマンでありプロ意識が足りない
- インデックス連動率が低い
という点をもう少し詳細に解説します。
運用成績が振るわない・手数料が高い日本の投資信託
日本ではとても一般的な投資信託ですが、運用成績は良くありません。
金融庁の森長官も以下の通り発言しています。
「日本で売られている公募株式投信は5406本ありますが、そのうちインデックス型株式投信は381本です。これから、複利の利益が得られない毎月分配型の投信、レバレッジのかかった投信、信託期間が短く長期投資を前提としていない投信を除き、ノーロードで信託報酬が一定率以下のものに限ると、積立NISAの対象として残ったものは50本弱でした。」
例えば、米国との比較を見てみるとわかりやすいですね。
収益率がマイナス0.11%にも関わらず、米国より手数料が高いですね。
如何に、日本の投資信託が「資金を集めること」に注力しているかがわかりますね。
投資信託のサラリーマンファンドマネージャーではプロ意識が希薄?インデックス連動型も期待できない
投資信託は基本的に「サラリーマン」が社内のファンドマネジャーとして出資で集めた資金を運用しています。
想像すればわかりますが、毎月基本給と成果次第で軽微なボーナス支給しか追い求めるものがないファンドマネジャーでは、
プロ意識がヘッジファンドのマネジャーに比べるとどうしても希薄しています。
加えて投資信託では投資する国や商品にも目論見書で定めた以上、際限なく商品を選ぶことは不可能です。
例え優秀であったとしてもその才能は制限されています。
また、インデックス連動率の話ですが、ご存知の通り投資信託には様々な商品があり、
- 日経平均連動型
- オイル価格連動型
などがあります。
投資信託はこれらのインデックスに連動しパフォーマンスを出すことを目標にしますが私の経験上連動率が低いです。
例えば、オイル価格連動型に関しては、WTI連動型の投資信託を購入しました。
購入が2015年であり当時は30USD前後でした。
その後45ドUSD(+150%)まで上昇しましたが、運用成績としては120%程度と、実際の価格との乖離が大きかったのです。
また、日経平均連動型の投資信託を購入した際は、
日経平均が17000円→23000円(+35%)となりましたが、連動は20%以下でした。
ここで解約を考えましたが、ここでも解約手数料がかかってきます。
ヘッジファンドと投資信託の違いを徹底比較(ヘッジファンドのメリット・デメリット)
投資信託のメリット・デメリットを把握した上でヘッジファンドのメリット・デメリットを細かく見ていきましょう。
もう一度上記の比較表を確認しましょう。
メリット | デメリット | |
投資信託 | 公募なのでファンド購入先を見つけやすい | ・自分で投資先を選定する必要があり手間がかかる ・目論見書の範囲内のみの運用となるので暴落などリスクヘッジが取りにくい ・運用成績が振るわない ・手数料が高い ・ファンドマネジャーがサラリーマンでありプロ意識が足りない ・インデックス連動率が低い |
ヘッジファンド | ・投資先の選定含め運用のプロに任せるため、手間が掛からない ・自由度の高い運用を行えるので市場リスク局面でも利益を狙える ・投資利回りが高い ・成果主義の手数料体系からファンドマネジャーのプロ意識が高い ・ファンドと出資者との距離が近く運用レポートも示唆に富む内容 |
・公に告知していないので投資先を探すのが困難 ・最低出資金が高く、敷居が若干高い |
ここでは既出以外の以下の項目を解説していきます。
- 投資利回りが高い
- 成果主義の手数料体系からファンドマネジャーのプロ意識が高い
- ファンドと出資者との距離が近く運用レポートも示唆に富む内容
- 最低出資金が高く、敷居が若干高い
ヘッジファンドの投資利回りの高さ・ファンドマネジャーのプロ意識
まずは、利回りの高さを把握していきましょう。
以下は金融危機やITバブルが崩壊した時の利回りとなります。
米国株式市場に対して49%のアウトパフォームとなっていますね。
この結果は、ヘッジファンドが「収益を追求する絶対収益型」であることに起因します。
このような市場が低迷する期間にも、自由度の高い運用に柔軟に適応し、収益を追い求めるプロフェッショナル意識の高いファンドマネジャーがいるからこその結果です。
例えば、筆者が現在出資している「BMキャピタル」はファンド創設以降マイナスの年利回りを出していません。
ファンドマネジャーの運用成績としてリーマンショック時も当然のようにプラス運用を達成していました。
投資方針も強固です。
バリュー株投資をメインとした10-20%程度の運用成績を「守る」ことで着実な運用益を出す合理的な形を取っております。
バリュー株投資 (ばりゅーかぶとうし)
株価の割安な銘柄に投資する手法。一般的には、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)が市場平均より低いことなどを判断基準とします。「バリュー投資」「割安株投資」ともいいます。⇔グロース投資、グロース株投資、成長株投資
(引用:大和証券)
同社の運用手法であるバリュー株投資は通常の低PERとPBRの企業に投資をするというものではありません。
しっかりと財務諸表まで分析した上で銘柄を選定する本格的なバリュー株投資と、
能動的に株式価値を向上させる動きをするアクティビストとして活躍しております。
顧客との距離が近く、運用レポートも示唆に富み、出資者の投資知識の向上にも寄与
資産運用を考えるのであれば、プロに任せっきりではなく、投資をするあなた自身も投資の知識は向上できた方が、
長期の資産運用を考えた時に柔軟に対応できますよね。
例えば、投資信託を購入する場合は、ネット証券は目論見書、
窓口購入であれば大手金融機関の営業員から投資の情報をヒヤリングすることになります。
しかし、実際に運用している人とは会話ができないのが難点です。
野球の試合に出ている選手から野球を教えてもらうのではなく、野球をよく観戦している人に話を聞いているようなものです。
ヘッジファンドであれば、運用主体の方と対面し、投資手法など示唆の富む会話も可能です。
今後の投資方針についても相談ができるというメリットがあるのです。
ファンドによりけりではありますが、ヘッジファンドは基本的に、運用レポートを出資者向けに提出しています。
内容としては、投資判断の具体的な根拠、運用結果、今後の投資方針、経済概況解説など、1流のファンドマネジャーの思考法を知ることができます。
やはり、プロの思考法に身近に触れることは、資産運用の知識を早いペースで向上する効果が明確にあります。
最低出資金が高く、敷居が若干高い
投資信託は最低出資額が低く、1000円からというものもありますが、日本の国内ヘッジファンドでは最低出資金が1000万円としていることが通常です。
米国は1億円からが通常であることを考えると、日本はまだまだヘッジファンドの認知度が低いため、良心的な金額となっている部分があります。
投資信託などに比べて金額が大きいのは、出資者の数が制限されていることが理由になります。
対面で出資者と会う機会なども考えると、少額で出資者を集めてしまうと業務も回らないことも理由としてあります。
ヘッジファンドに出資額の相談をし、1000万円以下の金額で出資できたケースも多々ありますのでまずは話を聞いてみるのも良いかと思います。
まとめ
日本国内ヘッジファンドについて、投資信託との違いも含め、解説してきました。
やはり、資産運用は人に会い、様々な資産運用方法を知った上で投資の最終決定をすべきですので、
積極的にファンドに問い合わせ、話を聞いてみるのが第一歩かと思います。