未公開株に投資をして上場をした際に、
その株に投資が集まることにより株価が上がり、株式を売却することで大きな利益を得る。
誰もが憧れる世界だと思います。
2018年はどのようなIPO銘柄があったのでしょうか。
また当選した人はどれくらい稼げたのでしょうか。
2018年に上場したオプティカル事業、ライフサイエンス事業の両輪で事業展開を図る「ジェイテックコーポレーション」について少し、
分析をしてみたいと思います。
ジェイテックコーポレーションを上場時初値で売って得られた利益はどれくらいだったのか?
まずはジェイテックコーポレーションの株を上場前に当選し保有していた場合どれくらい儲かったのでしょう?
以下が上場当時(2018年2月28日)の詳細です。
当たり本数 | 11,500本 |
公募価格 | 2,250円 |
初値 | 9,700円 |
初値上昇率 | +331.1% |
初値売り時(利益) | +74.5万円 |
主幹事はSMBC日興證券が務め、
当選していれば、74.5万円の利益が出ていたことになります。
Herozで400万円の利益、という話を聞くと小規模に感じますが(笑)
当選すれば単元株で74.5万円あれば嬉しいですよね。
それではジェイテックコーポレーションはどのような会社なのでしょうか。
詳細を見ていきたいと思います。
ジェイテックコーポレーションとはどのような会社か?
ジェイテックコーポレーションの概要を四季報から引用します。
3446 (株)ジェイテックコーポレーション じぇいてっくこーぽれーしょん [ 金属製品 ] |
【URL】https://www.j-tec.co.jp/ |
【決算】6月 |
【設立】1993.12 |
【上場】2018.2 |
【特色】研究・実験施設向け高精度X線集光ミラーと各種自動細胞培養装置が2本柱の研究開発型企業 |
【単独事業】オプティカル89(58)、ライフサイエンス・機器開発11(-95)【輸出】79 <18・6> |
【回 復】主力のX線ナノ集光ミラーは第4世代放射光施設などの新設に伴う高精度ミラー需要拡大で、大型受注続く。ライフサイエンス・機器開発は前期不振の在庫品販売から受注生産中心に切り替え、堅調。開発費・増員負担吸収し、営業益回復。 |
【新開発】表面加工技術のX線光学素子適用を研究、次世代半導体露光装置へ応用。自動細胞培養装置は研究用での普及図る。 |
【業種】 電子部品・産業用電子機器 時価総額順位 119/248社 |
【仕入先】日東光器 |
【販売先】FMB Oxford |
【比較会社】4974 タカラバイ,6965 浜松ホトニ |
【本社】567-0086大阪府茨木市彩都やまぶき2-4-35 TEL072-643-2292 |
【事業所】神戸 【細胞培養センター】大阪府吹田市 |
【従業員】<18.6> 35名(42.6歳)[年]565万円 |
【証券】[上]東京(マ)[幹](主)日興(副)野村,SBI,みずほ,エース,東洋,岡三,HS,マネックス[名]三井住友信[監]トーマツ(9.27~仰星) |
【銀行】三井住友,北おおさか信金,みなと |
【成長力】 ―% ―% 利益率24.1% ―% 【四半期進捗率】 3期平均―% 今期―%(―%) |
<引用:SBI証券>
特色は、
「研究・実験施設向け高精度X線集光ミラーと各種自動細胞培養装置が2本柱の研究開発型企業」とされています。
高精度X線集光ミラーと各種自動細胞培養装置を研究開発する企業であるとしていますが、
言葉も難しく、ビジネスモデルもこれではよくわかりませんよね。
以下で続けてジェイテックコーポレーションを見ていきたいと思います。
ジェイテックコーポレーションのビジネスモデルとは?
以下は代表取締役の津村氏の上場時インタビューです。
上場会社のビジネスモデルというのはこのようなインタビューで端的に語っているものが一番わかりやすいですね。
以下がその要約です。
- 事業は2つ展開している。
- 大阪大学と理化学研究所の研究成果を実用化した、X線ナノ集光ミラーを中心としてオプティカル事業。
- 1993年に設立した当初からはじめている自動細胞培養装置のライフサイエンス機器開発事業。
- 顧客は研究機関が多い、ライフサイエンスは製薬メーカーもある。オプティカルは海外も含め大学が多い。
- オプティカル事業に関して、兵庫県に大型施設がある。(SPring-8とSACLA)
- 60箇所くらいの実験ハッチがあり、そこで使われるミラーがジェイテックのもの(販売している)
- 素材としては石油ガラス、2枚のミラーを使って放射光をナノメートルレベルまで集光。(0.05mmくらい)
- 従来の分析よりも時間短縮、高精度化が実現できていると評価されている。
- 研究の目的はタンパク質の結晶高度の解析、産業利用として化粧品の開発をしたりと多岐に渡る。
- ライフサイエンス事業は、顧客のニーズに合わせて設備投資をし全自動型の細胞培養装置を開発してきた。
- CELFLOATという独自の3次元培養技術を使った商品展開を進めており顧客提案型の製品開発に力を入れている。
- 業績は、2017年6月期は売上高が8億2百万円、経常利益が2億円と過去最高。
- 今期は売上高が12億23百万円(前期比52%増)、経常利益が418百万円(前期比109%増)と倍増。
- 経常利益率は前期比34.2%増と急拡大している。
- 2015年頃から海外での放射光技術のニーズが高まり、好調に繋がっている。
- オプティカル事業の強みとしては世界最高のミラーであること、加えて自社開発力。(生産設備)
- 現在第4世代放射光施設の建設が世界で計画されているように、放射光技術の世界的需要が高まっている。
- ライフサイエンス事業の強みとしては、設立当初より販売実績が多いこと、独自の3次元細胞培養技術を展開していること。
- 独自の細胞培養センターを自社開発を推進することによって開発受託支援サービスへの展開にも繋がっている。
- 将来展開としては、オプティカル事業は他産業(宇宙、医療)への展開を目指しており、半導体に今は力を入れている。
- 大手企業と共に研究開発をしていくなど提携も進めていく。
- ライフサイエンス事業は独自の3次元細胞培養システムを利用してIPS細胞やオルガノイドへの適用など展開していく。
- 再生医療はこれから伸びるので、それを見越して顧客提案型の汎用製品を開発して拡大していく。
ライフサイエンス事業から創業し、その過程で始めたオプティカル事業が世界的にもニーズが高まり、
事業が急拡大していることがわかりますね。
事業とは、継続しているとある日光る石を拾うものと有名経営者が残した言葉がありましたが、
オプティカル事業はそれに当たるのかもしれません。
決算書を見ましたが、創業当初からのライフサイエンス事業は売り上げこそ1億円程度出ているものの、
利益は出ておらず(研究開発費による拠出?+実験に想定以上の時間がかかった)、
2018/6月期はオプティカル事業の一本足打法となってしまっています。
<引用:株式会社ジェイテックコーポレーションIR>
オプティカル事業は世界の市場ニーズから今後もますます拡大が期待されるところですが、
今後のジェイテックコーポレーションんお独自開発CELLFLOATに期待がかかるばかりですね。
少し面白かったのは、グラビア印刷試験機のOEM販売もしており、技術をフルに活用して機器開発もしている点ですね。
まとめ
2018年のIPO株式銘柄である、ジェイテックコーポレーションの上場当選した場合の利益、
またビジネスモデルを深掘りして見てきました。
このように上場する会社を分析していく中で、
やはり社会ニーズ、将来性が相当期待されているビジネスモデルがIPOしているのがよくわかりますね。
以上、
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