PEファンドとは?仕組み・運用成績・種類・メリットやデメリット等から個人でも投資できるおすすめの投資先を紹介。
私はヘッジファンドと不動産投資とPEファンドといったオルタナティブ投資といったものに投資を行っています。
→オルタナティブ投資の種類とメリット・デメリットをわかりやすく紐解く
オルタナティブ投資は日本語に訳すと「代替投資」となります。
何に対して代替なの?と疑問に思われたのではないでしょうか。
オルタナティブ投資は株や債券といった代替的な資産とは異なる動きをする投資手法を指します。
近年機関投資家を中心に取り入れられており、急速に脚光を浴びています。
皆さんに馴染みのある順番でいうと、不動産投資、富裕層の方を中心にヘッジファンドとなるかと思うのですが、なかなかPEファンドという選択肢は出てこないと思います。
今回はそんな最もニッチともいえるPEファンドについて、その実態を解き明かしてい行きたいと思います。
そもそもPEファンドってなに?
PEというのはPrivate Equityつまり日本語でいうと未公開株ということになります。
つまり株式上場していない企業の株を購入するファンドのことをいいます。
日本ではまだまだ知られていません。
PEファンドに投資を行うのも富裕層か機関投資家しかいないので、普通に生活をしているうえでは初耳だと思われた方も多いと思います。
そもそも日本においては有名なPEファンドというものも存在していないので無理はないかと思います。
しかし、金融先進国の米国では著名なPEファンドが存在しています。
以下は米国のPEファンドのTop3について以前分析したものとなります。
→ 投資ファンド・KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)をわかりやすく紐解く、巨大PEファンドの実態とは
→ 世界有数のPEファンド・ブラックストーン(Black Stone)を紐解く
→ 著名PEファンド・カーライルグループ(The Carlyle Group)の実態に迫る
PEファンドは近年の世界的な低金利環境下で積極的なリターンを追及したい国内外の機関投資家によって選ばれています。
実際、以下のデータに示されている通り年々投資額は増加の一途をたどっています。
PEファンドについてのデータを日銀が纏めていることから考えても、PEファンドの規模が無視できないものとなっていることを示しています。
また株式市場や銀行借り入れ以外の資金調達先としても脚光を浴び始めています。
経済の潤滑油としての役目も担い始めているのです。
PEファンドの種類
一言にPEファンドといっても種類は様々です。
以下が日銀が纏めた出資比率と、企業の成長段階毎にマトリックスに分けたものです。
それぞれについて説明していきたいと思います。
バイアウト (Buyout) ファンド
バイアウトファンドは最もメジャーなPEファンドの戦略です。・
バイアウトファンドはPEファンドの中で最も安定して高い利益が期待できるファンド形態です。
バイアウトファンドは成熟企業に殆どの場合は買収という形で高いポーションで出資を行い、
企業の経営の中に入り込んで企業の利益を上げる施策をうち企業価値が向上させたうえで売却する手法です。
→ ハゲタカファンドとPEファンド(バイアウトファンド)やヘッジファンドの関係をわかりやすく解説
未公開企業へ投資を行うので市況の影響で下落するリスクが低く、
プロフェッショナルが経営に関与し能動的に利益を高めるので年率15%〜20%の利益を期待することができます。
実際、先ほど紹介した米国のPEファンドはバイアウトファンドで平均して20%近いリターンを叩き出しています。
海外のPEファンドは機関投資家や超富裕層からしか出資を受け付けておりませんが、
日本では個人投資家に向けて日本で初めてTORTOISE PARTNERS(トータス・パートナーズ)が運用を開始しています。
個人からの出資も受け入れておりますので以下参考にしてみてください。
また、バイアウトファンドは社会的な意義もあります。
現在日本では株式会社の約99.8%の株式会社の中の約半分の120万社が経営者が60歳以上です。
後継者不在はさらにその半分の60万社、このうち利益が出ている会社は22万社に上ります。
TORTOISE PARTNERSは以下図の後継者のいない黒字を出している有望企業を買収して、
事業継承も担っており日本の社会問題を解決する社会性も兼ね備えたファンドであるということができます。
現在大廃業時代に突入しようとしている日本にとっては特にトータス・パートナーズのようなPEファンドは、
救世主となりうるファンド形態であるともいうことができます。
→ 世はまさに大廃業時代!中小企業を中心に数多の会社が廃業の危機に瀕している理由をわかりやすく解説。
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ベンチャー (ベンチャーキャピタル)
これが皆さんがイメージする最もPEファンドとして一般的なイメージの戦略ではないでしょうか。
所謂ベンチャーキャピタルの類ですね。
優秀なベンチャー企業を発掘して、出資し経営は彼らに任せます。
軌道にのり上場し株価が跳ね上がったときに株価を売却して大きな利益を獲得する手法です。
バイアウトが経営権を握るために大きな比率の株式を保有するのに対して、
ベンチャーは上場まで漕ぎつけるのが難しいため一社に多くの出資をするのは危険であるということと、
経営は優秀な創業者に任せたほうがいいため出資比率は小さめになっています。
上場まで漕ぎ着けるベンチャーは本当に一部ですので、大きな利益を狙える反面全額損失となる可能性もあります。
リスクの高い投資先といえます。
→ バイアウトファンドとベンチャーキャピタルの違いをわかりやすく解説ーPEファンドの種類毎比較-
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グロース
上記のバイアウトとベンチャーの中間に位置するファンドです。
ディストレスト/事業再生
有名なハゲタカファンドの部類です。
東芝やシャープのような経営危機に陥った企業の著しく低下した株に出資し、Turn Around (経営再生) した上で、
売却して利益を獲得するファンド形態です。
大きな利益を狙える反面、当然そのまま倒産してしまったら全て損失となる可能性もある、
ベンチャーキャピタル型と同じくハイリスク・ハイリターン投資といえます。
→ ハゲタカファンドとPEファンド(バイアウトファンド)やヘッジファンドの関係をわかりやすく解説
メザニン
劣後債務・優先株などに資金拠出を行う形態です。
これは他のPEファンドとは異なる形態で、本当の未公開株というよりは、
一般的に取引されてない債務と株の取引きを行うファンドです。
劣後債務とは普通社債に比べ高い金利を受け取る一方、発行元の企業が破綻した場合に普通の債務者に優先して支払われ、通常の債務者への支払いが終わった後に弁済されます。
優先株とは普通株に比べて配当金を優先的に受け取れたり、会社倒産時の財産を他の株主に比べて優先的に受け取れるかわりに、会社の経営に参加する権利が制限される株。
→ 著名PEファンドが手掛けるメザニン債・不良債権・仕組み債・MLP・CLOファンドの概要をわかりやすく解説
PEファンドの仕組み
PEファンドの仕組みについて説明します。
ファンドを立ち上げた運営会社も出資を行い(無限責任)、機関投資家から有限責任で出資を受け付けます。
有限責任というのは出資した金額以上は損失を被らないということです。
一方、無限責任とは出資額のみならず自分の資産まで取り崩して事業失敗時に保証を行います。
ファンドは投資先企業を見つけて投資を行うのですが、銀行はLeveraged Buyout Loan (略してLBO)という形式で資金提供を行います。
→ PEファンドのM&A手法レバレッジドバイアウト(LBO)の仕組み・事例をわかりやすく解説
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LBOは特にバイアウト型のように経営権を取得する型の場合に実施されます。
多額の資金が必要となる場合が多いため、被投資先企業の資産等を担保にして銀行から借入金を借りてきて買収資金にあてます。
買収される側の企業としては、なぜが自分を買収される資金の返済義務を負わされることになります。
PEファンドの運用成績
肝心のPEファンドの成績はどうなっているでしょうか。
株式投資はもとより同じオルタナティブ投資であるヘッジファンドよりも近年アウトパフォームが著しいです。
→ ファンドの種類毎のおすすめランキングを紹介してみる、投資信託・ヘッジファンド・PEファンド
2006年に100万円を投資していれば、リーマンショックを経ているにも関わらず350万円程度まで資産を増やすことに成功しています。
年率12%以上の実績を上げているYale大学やHarvard大学の基金(=エンダウメント)が自身のPortfolioの20%以上をPEファンドに投下しているのも納得できます。
→ 資産分散を行い市場平均をオーバーパフォームする投資ポートフォリオを組成する為の考え方
(引用:ハーバード大学基金、Yale University)
→ 2000万円をハーバード流に資産運用ポートフォリオを組み安定的に10%の利回りを目指す
→ 【3000万円資産運用】最先端の米国エンダウメント流ポートフォリオを構築し年率10%以上を安全に狙おう!
→ 5000万円をイェール大学流ポートフォリオで資産運用し年率10%を安全に長期的に目指す
→ 【1億円資産運用】ハーバード大学基金に類似したポートフォリオを組み安全に年率10%を狙う
PEファンドの欠点
PEファンドの欠点は戦略毎にあるのですが、すべての戦略に共通する欠点を列挙していきます。
機会損失の発生
折角よい投資先が見つかっても、その時お金がないと投資実行できません。
その為、あらかじめ資金を投資家から募っておくのが定例です。
資金を集めたにも関わらず、投資先がなかなか見つからない場合は往々にして存在します。
その資金は待機資金となってしまうので機会損失が発生することになります。
PEファンドが集めた資金から実際に投資を行った金額を差し引いた待機資金のことをドライパウダーと呼んでいます。
以下はドライパウダーの推移なのですが、資金流入にともなって年々増加傾向にあります。
先ほど紹介した日本の新進気鋭のPEファンドであるトータスパートナーズは、余った資金を年率10%の実績のあるバリュー株投資で運用を行っています。
無駄なく資金を運用しているので魅力的ですね。
資金拘束の長さ
次にPEファンドは一旦投資を行ったあとは、企業価値の向上をまって売却を行うため通常の株式投資より長い時間の資金拘束となりがちです。
また仮に企業価値が上昇したとしても、上場株ではないため売り先を見つけるのにも時間がかかります。
先ほどの待機資金と投資後の資金拘束の長さから、投資家は長期目線で投資を行う機関投資家や余剰資金で運用を行える富裕層となってくるのです。
富裕層以外への門戸の狭さ
PEファンドは巨額の資金を動かせる生損保や大学の基金のような大口機関投資家や資産総額5億円以上の超富裕層にしか門戸を開いておりません。
そのため、いくらリターンが高いので投資をしたくても個人はなかなか投資にありつくことができないという欠点があるのです。
トータスパートナーズは閾値は低くなっているとはいえ、最低投資金額は1000万円となっているので、通常の投信よりハードルは高いですが欧米に比べると低く抑えられていますね。
PEファンドへの投資方法
先ほど申し上げた通り、PEファンドは超富裕層しか相手にしません。
もし貴方が超富裕層であれば、おつきのPrivate Bankerに相談して海外のブラック・ストーン等のPEファンドを紹介してもらうという選択肢もあるでしょう。
しかしそうではない場合、私が投資しているTORTOISE PARTNERS(トータス・パートナーズ)が、有力な選択肢となってきます。
現在資金出資を募っておりますので中々投資することができないPEファンドへの投資を行うことができます。
興味のある方は問い合わせてみて実際に運用手法を聞いてみてはいかがでしょうか。